リュウグウノツカイ
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開発工事の影響で漁業不振に陥っている田舎の小さな漁師町。
重機のノイズが轟く浜辺で、それをかき消すように大声を上げて遊ぶ女子高生のグループ。輪に入らず、ひとり浜に座る真姫は海に浮かぶ大きな工事船を見つめている。グループの中で唯一、開拓工事側で働く親をもつ孝子は、不漁の影響で家庭が崩壊してしまった真姫に後ろめたさを感じている。
グループのリーダーである幸枝は明るく振舞い、ふたりの関係を取り持とうとしていた。ある朝、日課である浜の水質調査を行う少女たちの前に巨大な深海魚が現れる。気持ち悪くも美しい謎の深海魚「リュウグウノツカイ」―。この魚には「豊漁の兆候」「災いの予兆」という両極端な言い伝えがあった。そして3年前に上京した同級生・千里が町に戻ってくる。