尼寺博徒

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父に仕込まれた春子は立派な女胴師に成長していた。だが父が賭場荒しを斬ったことから、春子は恋人の吾郎と別れて尼寺に入ることとなった。それから3年、春子は春愁と名を変え尼寺「信修庵」に暮らしていた。寺には他に10人の尼僧がおり、女体世界のみの独特の絵巻を毎日繰り広げていた。 本山大覚寺の実権を握る覚英は西条組の賭場に出入りし、「信修庵」の修復費を使い込んでいた。さらには院代の昭栄を操り、若い尼僧たちに売春を強要していた。春愁は改修の認可が伸びている事情を確かめに大覚寺へ向かう。追い詰められた覚英は「信修庵」を担保に借用書を偽造し西条から金を借り受けたが、それも博打で失い自殺する。庵主が尼寺を手放す決意をした日、春愁の父が亡くなった。春愁はドスを墨染めの衣の下に隠したまま、西条に2000万円の借用書と尼寺の権利書を賭けてサシの勝負を申し出る…。

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