キートンの月ロケット
轟沈した戦艦の乗組員のキートンは、飛行機が落とした救命艇で流され、日本だと思って漂着した場所がメキシコだった。一人勝手にホールド・アップで村民に囲まれ、捕虜となろうとするが言葉が通じず、折しもアメリカから報告された、逃亡中の連続少女殺人犯“青髭”と信じ込まれる。そこに処刑も間近の彼を“モルモット”にしようと企む、月ロケット計画の立案者ハーディング博士とその姪ロザリーは、翌日に控えた打ち上げに間に合わせようと同房の囚人と共に彼を誘惑させる。手違いでロザリーも乗り込んで“発射”となるが、結局ロケットは軌道に乗らず地球を周回し、打ち上げ場所からほど近いメキシコ市郊外に落ち、三人の乗組員はしばし、そこを月世界と勘違いする。