新鞍馬天狗
(C)KADOKAWA 1965
動乱の幕末、京洛の巷では、連日、倒幕に命を賭ける各藩の志士たちと新選組との死闘が展開されていた。そして、その闘争の最中、忽然と現れて志士たちを助け、またどこへともなく姿を消す覆面の武士、それが鞍馬天狗であった。新選組は、そんな怪人物の正体をつきとめようとやっきになっていたが、当の鞍馬天狗こと倉由典膳という浪人は、路地裏の荒物屋に二階を借り、近所の子供たちに習字を教えて、のんびりと生計を立てていた。そんなある日鞍馬天狗は、壬生の屯所に捕われた長州藩士を救わんとして、見張をしていた新選組隊士舟曳休之助を斬ってしまった。