『リメンバー・ミー』『インサイド・ヘッド2』のディズニー&ピクサー史上最も“やさしい”感動に包まれる物語『星つなぎのエリオ』より、劇中で、天文学者で作家の故カール・セーガン博士の「宇宙に存在するのは人類だけか、我々は孤独か」と語る実際の音声が使用されており、その日本語吹替を宇宙飛行士の野口聡一が担当することが決定した。カール・セーガンの言葉は、主人公エリオが宇宙に憧れるきっかけのひとつでもあり、“つながり”を描く本作を象徴する大切なセリフになっている。
本作の主人公エリオは、唯一の理解者である両親を亡くして以来、周囲に馴染めず、ひとりぼっちだと感じている孤独な少年。
寂しさを抱えていたエリオはある日、カール・セーガンが宇宙のどこかにいるほかの生命体に“地球からのメッセージ”を届けるために作ったゴールデンレコードと共に、1977年に打ち上げられた無人惑星探査機ボイジャーの存在を知る。自分を見つけてくれる“誰か”を探して、今もたったひとりで広い宇宙の旅を続けるボイジャーの姿に勇気づけられたことをきっかけに、エリオはこの広い星々の世界のどこかで両親のように自分を理解してくれる“誰か”に出会えるはずと信じ、宇宙に憧れるようになる。
さらに、ゴールデンレコードに込められた地球からのメッセージが実際に何光年も離れた星の“仲間”に届き、あることをきっかけにエリオが地球の大使と“誤解”されて、様々な星の代表が集う“コミュニバース”に招待されるきっかけにもなっており、本作の物語を動かす重要な存在として登場している。そんなエリオが宇宙に夢中になったきっかけになったカール・セーガンだが、本作で日本語吹替を担当する野口はカール・セーガンの宇宙をテーマにした伝説のドキュメンタリー番組「コスモス」の大ファンで、宇宙飛行士を目指す上で影響を受けた存在だそう。

野口は吹替を担当することになり「大変光栄でした。我々世代にとってカール・セーガンさんの『コスモス』というテレビ番組は非常に影響力があって、あの番組を見て宇宙飛行士になりたいと、宇宙科学関係で働きたいと思った人はいっぱいいると思うんです。私も高校生くらいの時だったのですが、毎回放送を楽しみにしていたことを覚えています」と、喜びを語っている。
そして、野口は「はるか遠い宇宙の冒険活劇のようだけど、これは孤独と絶望に苛まれる少年エリオが大切な人との心の絆を取り戻す、魂の再生の物語です。さまざまな出会いを通して、姿の違いや意見の衝突を乗り越えながら、エリオは共生することのすばらしさを学んでいきます。誰からも愛されない、必要とされてないと嘆いているあなたにこそ、この映画を観てほしい」と、何十億人もいるこの世界で、ふと小さな寂しさを抱えたことがあるすべての人にピクサーが贈る感動のメッセージを語り、
「かつて世界中の宇宙ファンをとりこにしたカール・セーガン博士の温かい言葉が、あなたの凍った心をきっと解かしてくれるはずです。」と、かつてエリオと同じように宇宙に憧れたひとりの宇宙ファンとしてあたかかいコメントを寄せている。

野口が吹替を担当するカール・セーガンの言葉にのせて、何光年も離れた星々の世界を舞台に、時に孤独を感じたとしても、そのままの自分を抱きしめてくれる“つながり”はきっと側にあるという、世代を超えて全ての人々の心にやさしく寄り添うテーマで描く本作。もしも、ゴールデンレコードに込められた地球からのメッセージがはるか彼方の“宇宙”に届いたら…?という宇宙のロマンがつまった夢のような世界を描くにあたり、本作で監督を務めたマデリン・シャラフィアンは「SETI(地球外知的生命体探査)や、カール・セーガン、ボイジャー計画、実在の宇宙飛行士たちが言ったことも参考にしています」と制作の裏側を明かしており、プロデューサーのメアリー・アリス・ドラムは「私たちは、SETI研究所の創設メンバーの一人で、カール・セーガンと一緒に仕事した天文学者のジル・ターター博士と会いました。彼女は私たちに、宇宙についてもっと広い視野で考えることを教えてくれました。この物語には、つながりという強いテーマがあり、私たち全員の心に響きました」と、作品に込められた大切なメッセージについて語っている。
8月1日(金)全国劇場公開